【名作!スリラー映画】『羊たちの沈黙』の感想—FBI見習いVS猟奇的心理学者VS連続殺人鬼(ネタバレあり)

スリラー

『羊たちの沈黙』(ジョナサン・デミ監督)の感想を
ネタバレありでお話しします。

題名からサスペンスの香りがとても香ってくる本作。
タイトルだけは知っていましたが、観る機会がありませんでした。

今回、Amazonプライムビデオにて、見放題となっていましたので、
視聴しました。

本作は、グロテスクな描写は多くはありませんが、
解剖のシーンなど、少々気持ちが重くなる場面がありますので、観る際は注意したいですね。

あらすじ

FBI訓練生のクラリスは、連続殺人鬼「バッファロー・ビル」の捜査を命じられる。
ビルは「被害者の皮をはぐ」猟奇的な殺人者。FBIは犯人の行方を掴むことに難航していたが、クラリスにある任務を与えることで、捜査の光を見出そうとする。
その任務とは、天才精神科医である「レクター博士」に協力を求めること。

しかし、レクター博士は自身の患者を殺害したうえに、彼らを食べる「食人鬼」であり、すでに獄中いた。
クラリスはレクター博士から極力を得られるのか。そして、バッファロー・ビルを捕まえることはできるのか——。

感想

傑作!と言われていたので、期待して鑑賞しました。
しかし、私の思考不足なのか、面白いともつまらないとも思わない
なんとも微妙な感情になった映画でした。

以下、ネタバレありの感想です。

最初の邂逅

紳士のような佇まいをみせるレクター博士。しかし、同時に不気味な雰囲気を漂わせます。
牢屋の中で直立し、まるでクラリスが来ることを予期していたかのように、待ち構えていました。

この二人の初めての出会いの中、特に気になったのは以下の点です。

レクター博士のウィンク

クラリスとレクラ—博士が初めて会った場面で、レクター博士は2回ウィンクをしています。

最初のウィンクは、クラリスが正規の捜査官ではないことを見破った時であり、「どうだ、見抜いたぞ」という得意げな態度に見えました。
しかし、2回目はただ資料を読み始めるときに、クラリスへ向けたものです。
これには必然性がありません。

もしかすると、レクター博士は彼女に、気があったのではないでしょうか。
クラリスは、男性の目を惹きつける存在として描かれています。
一般の男性と同様に、博士も彼女の虜になったのかもしれません。

そう考えると、クラリスの去り際に情報を提供する行動にも説明がつきます。
彼女が何も得られずに帰る際、ミグズから嫌がらせを受けたことに同情、激怒して情報を与えたのでしょう。その後、ミグズが死亡する展開にも整合性が感じられます。

子羊=クラリス、羊=男たち

クラリスは10歳のとき、牧場から逃げ出しました。夜明け前、子羊たちの悲鳴で目を覚まし、1頭の子羊を抱えて逃げたのです。
このエピソードから、クラリスは「子羊」を象徴する存在に思えます。

一方道を行く男たちは、クラリスに視線を向けます。ただ黙って見つめるだけで、言葉はありません。その沈黙には意味深いもの(男性社会の象徴?)を感じます。

また、レクター博士が脱獄前に夕食を2回注文し、2回目に提供されたのが子羊の肉だったことも印象的です。しかし、博士はその肉に手をつけずに立ち去ります。

これはレクター博士が「子羊」であるクラリスを手に入れることができなかったことを暗示しているのかもしれません。

イケおじクロフォード……

私は、最後のシーンを観るまで、レクター博士が言った、
「クロフォードはクラリスのことが好きらしい」
という言葉に懐疑的でした。

紳士の皮を被ったレクター博士と違い、
聡明で、余裕のあるクロフォードは格好良く見えました。

しかし、別れ際にクロフォードがクラリスとの握手の時間が長い描写を見て、驚きました。
クラリスの笑顔は、私には苦笑いのように思えました。
私自身、クロフォードは尊敬していた人物だっただけに、少し落胆しました。

この行動を見ると、彼はクラリスと接触するために、彼女を捜査に参加させたと解釈すれば、一貫するように思います。

おわりに

昔から気になっていた本作ですが、
私の思考不足もあり、期待したほど楽しめませんでした。

この作品の影響で以降の映画やドラマで
「プロファイリング」という言葉が使用されるようになったとの話もありますので、
映画の面白さ以上に、映画史的な価値を感じます。

続編もありますので、機会があったら、視聴しようと思います。

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