【不朽の名作】『アクロイド殺害事件』感想レビュー|ミステリー初心者にもおすすめの名作!(ネタバレなし)

おすすめ
アクロイド殺害事件新版 (創元推理文庫)
アガサ・クリスティ | 2004年03月発売

アガサ・クリスティ氏の名前を聞いたことがない読書家はいないでしょう。
そんな彼女の代表作ともいうべき不朽の名作『アクロイド殺害事件』。

意外かも知れませんが、本作はミステリー小説初心者の方にもおすすめできる作品です。

  • 比較的容易な文章
  • 登場人物が少なく、相関関係がわかりやすい
  • 謎が随所に散りばめられ、興味がつきずに読み進められる
  • 皮肉が効いたユーモアのある文章

名作と言われると重厚な物語のイメージがあると思いますが、『アクロイド殺害事件』はスムーズに物語に入れます。
特筆すべきは、登場人物が少ない点。キャラクターが多い名作たちを読むためにも、本作からミステリー小説のドアを叩いてはいかがでしょうか。

また、わずかなネタバレも厳禁な物語です。
「読みたい!」と思った方は本作が名作である理由すら調べてはいけません。
後悔しますよ!
(私は後悔しました……)

あらすじ

平穏な田舎町キングズ・アボットで、資産家ロジャー・アクロイドが殺害される。
その前夜、彼は愛する女性から重大な秘密を打ち明けられたばかりだった——。

地元の医師である語り手の「私」は、偶然隣人として越してきた名探偵エルキュール・ポアロと共に事件の真相を追うことになる。
登場人物は皆どこか秘密を抱えており、殺人犯人を特定するのは至難の業。

静かな村に渦巻く企みを、ポアロたちは看破できるのか——。

感想

少しの違和感すら見逃さないポアロの慧眼

“名探偵”と称される彼の観察眼は常軌を逸しています。
「これは事件と関係があるのですか?」と登場人物たちが疑問を呈する場面が何度もありますが、すべては伏線。

「なぜポアロがその謎を重要視するのか
を考えれば、もしかしたら、あなたも殺人犯人を特定できるかもしれません。

イギリス的ユーモアと皮肉

著者・アガサ・クリスティ氏はイギリス人。
イギリスといえば皮肉を言う文化がありますが、それが本作でも存分に発揮されます。

皮肉の効いた会話を交わす登場人物たち。
ウィットに富んだ嫌味を言い合ったかと思えば、何事もなかったかのように会話が続く。
日本の文化では触れられない、そんな登場人物たちの舌戦(?)も面白さの一つです。

ポアロという人物の深み

名探偵といえばどんな人物像を想像するでしょうか。

  • 頭脳明晰
  • 冷静沈着

もちろん、ポアロも兼ね備えています。しかし、それらに加えて

  • 時に語気を荒げる
  • 自信過剰

彼には言うなれば、普通の人っぽさがあります。感情を露わにする感じだったり、得意満面な部分があったり。
名探偵とは一見すると近寄り難さがありますが、本作を読めば彼の印象が少し変わるかもしれません。

と言っても、常人のような振る舞いも彼の手の内かもしれませんが……。

おわりに

『アクロイド殺害事件』は、ミステリーというジャンルの奥深さと、読者を翻弄する巧みな構成を味わえる傑作です。

本記事を読んで興味を持たれた方は、これ以上の検索や解説記事の閲覧は厳禁。
この物語は何も知らずに読むことこそが最高の楽しみ方です。
ぜひ、ご自身の目で“なぜ名作と呼ばれるのか”を確かめてください。

ミステリー度   4.0
没 入 感    5.0
キャラの魅力   4.5
総 合 評 価  4.5

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