【新種のエンターテインメント!?】マナーはいらない 小説の書きかた講座(三浦しをん著)|感想

5.0
三浦しをん

小説の「勉強」が楽しいと思える一冊!

皆さんは「勉強が楽しい」と心から思ったことはありますか?
多くの方は「勉強は辛い、苦しい」と思っていることでしょう。

しかし、本書は違います。
『講座』と題してはいるものの、“学べること”と同じかそれ以上に、“面白い”内容で溢れています。

文章を書く方法や向き合い方が学べる本書は、小説に対して真摯な方ほど刺さる内容となっています。

こんな人にオススメ!

小説の書き方がわからない!

小説を書きたい!と思っても、とっかかりがわからない方は多いのではないでしょうか。
構想・構成の練り方、情景描写……。

本書はいわば、「書き方の地図」。この本は「どうやって小説の勉強をしよう」と悩んでいる方の力になってくれます!

文章を書くコツを「楽しく」学びたい

本書の帯

本書の帯に記載のとおり、“しをん節”で書きかたを学ぶことができます。
しをん節とは?と疑問に思う方もいるかと思いますが、「面白い文章!」とだけ言っておきます(笑)

感想

書きかたを包括的に学べる

私も小説を嗜む程度に書いています。構想や構成、人称など不安なことは枚挙に暇がありません。

本書は小説を書く上で必要不可欠なことを教えてくれます。表現することに「マナーはいらない」けれど、小説としての身だしなみを整えさせてくれる。そんな書籍です。
全24皿(フルコースになぞらえ、各章を皿と表現している)で構成されており、おどけた筆致ながらも核心的なことを多く得られます。

私が特に印象的だったのは、描写についてです。
「全てを書くのではなく、読者を信頼し、委ねる勇気を持つ」
こういった事柄を、わかりやすく例文も交えて学べます。

小説の練習方法

「小説の練習方法は実践あるのみ!」と私は思っていました。
ですが、書くこと以外にも研鑽を積む方法を示してくれます。

  • 今見えている風景を文章で表現してみる
  • 会話の自然さを学ぶため、電車内で人の会話に耳を傾ける

日常生活で小説を意識することはなかなか大変なのでほどほどに、的なニュアンスで書かれていますけれど……。

三浦しをん先生の考えを読み取るためにも、ぜひ手に取ってみてください!

楽しく学べる!

私が本書を手に取ったきっかけは、やはり「小説の勉強をするため」でした。
ですが、読み進めるにつれて「楽しいから読む」に変わりました。

本書での勉強は、苦しいことではありません。
魅力的な“しをん節”で、笑顔で読み進められます!

人の心を動かす文章が感動を呼ぶのだと思いますが、それを本書が体現しています!

おわりに

本書を読んだことにより、実践的な知識を身につけることができました。

私はXにて毎日140字小説を投稿しているのですが、本書を読んだ後から、構想から投稿までのスピードや完成度が上がりました。

「小説を書きたいけど、どうすればいいかわからない」そこのあなた!
とりあえず、『マナーはいらない 小説の書きかた講座』を読んでおけば間違いありません!

マナーはいらない 小説の書きかた講座
三浦 しをん | 2020年11月05日頃発売 | 三浦しをんが的確かつ楽しく伝える、小説の書きかた講座。伝説のWeb連載「小説を書くためのプチアドバイス」が、書きおろしやコラムを加え、『マナーはいらない 小説の書きかた講座』として、ついに...
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